「何度言ってもわからない」選手がいる時の指導者の落とし穴

「何度言ったらわかるんだ!!」という檄を飛ばす指導者を見ることがある。
きっと誰にでもあるだろう。
恥ずかしながら自分でも思うことはある。
しかし、子どもにとってみればい、いくら聞いたとて、どう動いていいかわからない。そんなところが、本音だ。
実際に問答をしてみれば、正しく答えられることも少なくない。
「じゃあそれをやれよ!!」と言ってもできない。それはなぜか?
認知心理学にはこのような金言がある。
「言った」というのは、相手が「聞いた」ということにはならない。
「聞いた」というのは、相手が「理解した」ということにはならない。
「理解した」というのは、相手が「納得した」ということにはならない。
「納得した」というのは、相手が「把握した」ということにはならない。
「把握した」というのは、相手が「動ける」ということにはならない。
つまり、指導者が言ってから選手が動けるようになるまでには壮大な脳内でのプロセスが必要だということだ。
このプロセスを無視し、動けない選手を一概にダメな選手という評価を下すのならば、それこそダメな指導者の典型例と言えるだろう。