ちょっと小噺(偉人伝)#1 エディン・ジェコ(ボスニア・ヘルツェゴビナ代表)って?

ローマでセリエAの得点王に輝いたエディン・ジェコってどんな人?

ジェコの経歴は全ての日本人に対して勇気を与えてくれた。

なぜなら、それは想像を絶するもので、現在の日本の小学生たちがどれだけ恵まれた環境にあるのかということを知らしめてくれたからだ。
詳しくはウィキペディアに載っているのでそちらを参照されたい。

私が今回特筆すべきは次の一点にかぎる。
少年サッカーでも私は子ども達に必ずこれを伝えている。

それは彼の少年期に関するものである。

砲弾が降り止んだ時にサッカーを楽しんだ。

ちょうどエディン・ジェコが6歳から9歳の時、日本人であれば、幼稚園の年長〜小学校3年生に当たる時、エディン・ジェコの住むボスニアは紛争の戦時下にあった。

なので、いつでも明るい時間帯に外へ出てボールを蹴ることができたわけではなかった。

戦時中は音を立てられない地下室で家族と暮らし、
砲弾が止むちょっとした時間に外に出てボールを蹴ったそうだ。

この状況が理解できるだろうか。
国が紛争の最中にあっても尚、エディン・ジェコの闘志の火は消えることがなかったのだ。
そして、どんな環境下であっても、この志の火を絶やすことが無ければ、このレベルまで到達できるということだ。

全ての環境は揃っている日本。

plenty

我々日本人は豊かな気候に恵まれ、自然に恵まれ、道具に恵まれ、ほとんど、どこでもサッカーを楽しむことができる。もちろん、戦争は起こっていない。

そんな中で我々の新たな脅威と言えばなんだろうか。

ただ、雑音も多すぎる日本。

全ては揃っていて、恵まれた環境にいるのはありがたいことだが、実はデメリットもある。

子ども達はカードゲームやゲーム、最近はスマホに流れたり違うことに注意が散ってしまうことが多い。家に変えればあっちこっちでおもしろおかしなテレビ番組が散見される。

学校から帰ってきたらサッカーはおろか、宿題もせずにこれらの事に没頭してしまうのは、珍しい話ではない。

むしろ、ほとんどの子ども達がそれらの犠牲になっているのではないだろうか。
これは脳を蝕むゲームの構造にも因るのだが、とにかく、子ども達にゲームを与えることは危険がたくさんある。

かのスティーブ・ジョブズが自分の子どもにはスマホを与えなかった、ということも有名な話であろう。

それぐらい、子ども達の脳にとってゲームは有害なのである。

では、幼い子ども達が自力でそれらの毒に立ち向かう理性を持ち合わせているだろうか

答えはもちろんNOだ。子ども達は知らずの内に脳を蝕まれていってしまう。

贅沢なデメリットではあるが、これも子ども達の成長を大きく阻害する要因となっている。

どうやってエディン・ジェコのように育てればいいのか?

では、日本にある、恵まれたからこそ生じる脅威にどう立ち向かっていけばいいのか。紹介していきたい。

その1、「一生楽しめるのはどちらか?」を考えさせる。

サッカーは長く考えれば生涯にわたって楽しむことができるスポーツである。
プレーヤーとしても、指導者としても、ファンとしても死ぬまで楽しむことができる。

またサッカーをやる上では必ず人との関わりが生まれる。サッカーはチームスポーツである。故に様々な人ととの関わりが生まれる。それは仕事だけしている中では決して出会わなかった人との出会いもある。

そしてその出会いは人生の豊かさに繋がる。

しかし、ゲームはどうだろうか。近頃は友だちと公園でゲームをしている子たちを見かけることもある。友だちとゲームをしているのは人間の関わりの一つではあるが、見ているのはゲームの画面である。
そこに人間関係の特に重要“空気感”や“間”などを読み取ることは難しい。

また、ゲームは一生我々の心を満たしてくれるものではない。
かく言う私も小学生の時はゲームに明け暮れていた。サッカーはそこそこに、ゲームは貪るようにしていた時期があった。

その私が言うのだ、ゲームよりもサッカーの方がおもしろい。
これは個人的な意見であることは認める。ゲームを一概に否定するわけでもない。
ただ、サッカー選手になる上で、という条件ならば、小学生の時にどのようにゲームと関わるのかということは一考の価値があると私は思っている。

その2、「サッカーに夢中にさせる」

これはサッカー選手になることをもっと現実として受け止めさせ、本当に自分の心の底から、先に記したようにエディン・ジェコのような志の火を滾らせるためには、周りの大人の関わり方が重要になってくる。

かの天才体操選手、内村航平のご両親は夕飯の際には必ず体操の映像を見せていたそうだ。
後に内村は教科書に載っている体操の技の全てができる選手と呼ばれる伝説を残すことは想像に難くないだろう。

これに関しては他の記事にも書いたので、詳しくはそちらを見ていただきたい。

その3、「君が12年後になっているのはプロサッカー選手か?プロゲーマーか?」

これはコーチングの技術の一つだと私は思っています。
常に自分に問いかけさせて、今の自分の行動を選択させるという方法です。

プロサッカー選手になっている選手が今そんなにゲームばかりしていると思うか?(逆もまた然りです)

ここで、ポイントなのは「なりたい」ではなく、「なっている」と断定することです。未来を作ることができるのは自分だけです。

まとめ。エディン・ジェコに学ぶ。

エディン・ジェコの経歴は我々日本人にとっては想像を絶するものであることは少しだけ解っていただけたかと思う。
そんな中で我々がエディン・ジェコに学び、実際のモチベーションに活かすことのできる一端を今回は記した。

この流れで私も子どもたちに、実際に話している。
(話す時間はそれぞれ使える時間にもよる。)

紛争下でも練習に明け暮れたエディン。明け暮れられたエディン。

平和な日本。できないことはないのではないだろうか。
道具も環境も全て揃っている。

だからこそそのさらに上を目指すことは難しいのかもしれない。
(もうお腹が常に満たされているから)

でも、我々はエディン・ジェコに比べたら、遥かに恵まれていて、
遥かにプロサッカー選手に近い環境でサッカーができていることを知らなければならない。

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