トレーニングプランを作る上で考えるべきこととは。

コーチのみなさんはトレーニングプランをたてるときにどのようなことを考えていますか?
何を考えたらいいのかわからない!という方もいらっしゃるかと思います。
少年サッカー、ジュニアサッカー、小学生サッカーにおいて足りないことは山のようにあり、どこから始めていいのかわからず、とりあえずみっちり基礎練!というクラブはよく見かけます。
しかし、だらだらとした基礎練を長時間続けてしまい、基礎練習にもならず、試合のイメージも持ちにくく、集中力は削がれていく…。やがて練習に身が入ってないと怒られる…。そして試合感覚からは遠のいてしまい、さらに弱さに拍車がかかる…。
という現象は多々みられるかと思います。
そんな時、「もっといい練習が知りたい!」と思う方も多いかと思います。
もちろんそれも正解ですが、根本的には、実は不正解です。
なぜなら、練習はメニューではなく、「何をそのメニューで鍛えたいか」ということの方が重要だからです。
そんな時に、まず、絶対に外してはいけないことがあります。それは…
・キーポイント(身につけさせたいこと)を決める。
これが最も大切なことです。その練習で何を身につけさせたいのか。
これがあればその練習プランの80%は完成したと言ってもいいでしょう。
これがない練習が散見され、結局は最初に述べただらだらとした練習になりがちです…。
ではなぜキーポイントを決めるのか解説していきます。
同じキーポイントの設定でこんなにも内容が変わる。
例えば1v1だったら
・ドリブルの仕掛け
・ディフェンスの優先順位を理解すること
・背後に敵を背負った状態からシュートまでいくこと
etc…
といった具合に、1v1でも考え方によってコーチングの質が変わってきます。
(かける言葉が変わってきます)
ドリブルを背後に敵を背負った状態からシュートさせたいのであれば…。
ボールをキープすることよりもシュートに持っていくことを要求します。
なので
・ファーストタッチの方向
・ボールをもらう際の体の向き
・ボールをもらう前の準備動作(周りを観る、緩急をつける等)
といったことが重要になると考えられるとします。
これがキーファクターとなり、コーチングのポイントになります。
同じ1v1でも、選手にかける言葉は
テキトーな「いいよー!」とか、場当たり的な指導ではなくなります。
例えば、
・ターンできるところでしていなかったり
・ボールをもらう動作が単調だったり
・もらう前にディフェンスの位置を確認していなかったり
・ファーストタッチをただ足元に止めてしまっていたり等
このようなプレーをしていたら修正するポイントが明確ですよね。
なぜなら、キーファクターが明確だからです。
さて、これができれば早速練習へGO!!と言いたいところですが。
トレーニングプランを設計する上でもう少し考えたいところを補足しておきます。
もしトレーニングプランを作る上で考えていく材料にしていただければ幸いです。
1、シュチュエーション
どのシュチュエーションを切り取っているのか?ということです。
前の試合や練習の振り返りなどからあぶり出された課題に対し、
どのようなシュチュエーションでのどのようなプレーを成功させたいのか?
ということを考慮してみてください。
中盤でのパス回しをもっと増やしたいのであれば
ラインゴールでの4V4+2、ポゼッションでの3V3+3等、
パスにより攻撃方向にボールを失わないように進んでいくようなトレーニングが考えられます。
ゴール前でのシュートの意識向上とディフェンスのシュートブロックであれば
ペナルティエリア内での4V4のシュートゲーム、ゴール前での3V2等
実際のゴールを使った練習が考えられます。
このように、試合や練習の振り返りからどのようなシュチュエーションのどのようんプレーを成功させたいかによって、トレーニングのプランは変わっていきます。
2,プレイ時間
これはプレーしている時間がどれぐらいあるのかということで
裏を返せばどれだけ待ち時間があるのかということです。
例えば18人の人数だったら3V3+3のグループが2つできます。そうすれば全員が動いている状態です。他にも4V2がやりたければ3グループできます。
できる限り、割り切れる数でトレーニングを組めればいいですね。
この辺はその日の参加人数にもよるところがあるので、必ずしもプラン通りにいくわけではないところがありますが。
割り切れない場合はどうするか?
例えば、18人で3V2をやりたい場合。稼働する人数は5人なので、二つグループを組めば10人。
これを2つのコートで回していけば、休憩している人数が8人です。
半分以上の人数はプレーしている状態ですので、いい感じですね。
これはトレーニング強度とも関係してきます。
なので、激しい3V2になると、連続でやることが厳しくなってきます。
そうすると、適度に休憩時間がほしいので、一つのグループで行い、トレーニングの強度やインテンシティ(緊張感)を高めます。
また、1つのグループで行うと、休んでいる人はイメージトレーニングになり、他の人のいいプレーや悪いプレーを観て、頭で理解することができます。
これがうまく機能すればプレー時間が少なくなっても、頭で理解することができ、全体的に後々に効果が現れることがあるので、チームを作り上げる最初の時期や、新しい練習を始めたい時などは1グループで全員で一緒にやることも考えられます。
3,全体のトレーニング時間
さて、最後に全体のトレーニング時間ですが、どれぐらいがいいのでしょうか?
これは私の経験上、大人も子どももあまり変わりません。
集中力が続く限りですので、あまりに長い時間のトレーニングは逆効果になってしまうと私は考えております。
詳しくは↓
まとめ
つまり、今日明日、今週、今月ぐらいまでのトレーニングプランをたてるためには
キーポイントを決めること。
が大切です。それがトレーニングプランを決める土台になります。
逆にそれがなければトレーニングプランはどれも空を切るような場当たり的なものになってしまいます。
そのためにしっかりと練習や試合を振り返り、改善点を出しておきましょう。